かたもとオーガニックファーム

かたもとオーガニックファーム 片本満大さん

亀岡市篠町森

Interview

以前はモトクロスライダーだった


僕は京都の大学時代、二輪部でモトクロスを始めてから、モトクロスライダーをしていました。亀岡には18歳で来て、その後もずっと住んでいます。野菜を食べたり運動したりと体にいいことが好きで、家庭菜園にも挑戦していました。

そんな中、知り合いの紹介で京丹後の梅本農場という、農業をしてる人で知らない人はいないと言われる農場に行く機会があったんです。そこでオーガニックがどういうものなのかはじめて知って、早速家庭菜園に取り入れるようになっていました。

もともと50歳くらいになったら仕事を辞めて、農業をしたいななんて思っていたのですが、怪我をきっかけに辞職し、本格的にオーガニック農業を始めることにしました。一人で畑を借り始めて今で1年半ほどになります。


体に悪いことが何1つない


うちの畑では農薬・化学肥料は使ってなくて、体に悪いことが何1つないんですよ。

化学肥料を使うと大きな野菜を簡単に作ることができるのですが、その肥料に虫がたくさん寄ってきます。そこで、その害虫を殺すために農薬を使うのですが、そうすると、害虫だけじゃなく、体を元気にしてくれる菌も死んでしまうのです。乳酸菌や納豆菌がそうですね。それらの菌こそが旨味であったり、丈夫な野菜を作ったりするので、農薬は使いたくないし、使わないんです。ちなみに、保育園に通う娘は丈夫な野菜を食べているからか、2年間風邪をひいてないんですよ。

そして、うちで肥料の代わりにしているのが、落ち葉と草。例えば、草を刈ったら、畑に敷き詰める。山に入ったら、落ち葉で土が隠れているでしょう。落ち葉の下には腐葉土があって、とても水持ちが良い。かといって、べちょべちょではない。良い水分量を保ってくれるんです。その状態を畑でも再現したいなと思って、実際に軽トラで山の落ち葉を集めに行きます。

 

都会と田舎を併せ持つ魅力


亀岡のいいところは、都会と田舎の半々というか。田舎なので農業がしやすい土地なんですが、できた野菜を都会へ売りに行くのも近いんです。田舎は好きだし、もっと田舎でも農業はできるんですが、そうなると少し不便なんです。子供がいるので、保育園にも近い方がいいですしね。今、保育園は家から歩いて10分くらいなので、子供にも集まってもらいやすいし、畑にもきてもらいやすいんです。


給食に無農薬野菜を


今後の展望としては、亀岡の給食に使われる野菜を無農薬にすることです。でもそれはすごくハードルが高いことなんです。

給食って一食260円くらいなので、安くないと買ってもらえないし、そして、安定してたくさんの量を供給する必要があるので、グループを作らないといけません。オーガニックは生産が不安定なので、野菜ができない時期は休暇をとる農家や八百屋もいるんです。でも、給食に使ってもらうにはそれではダメなので、技術を高め、仲間と協力して、亀岡市が納得してくれるような環境を作っていけたらと思っています。


芸術×農業×オーガニックで成長を


芸術、農業、オーガニック、これらが混ざったら面白いと思うので、一緒に成長できたらいいな。

今実際に、KIRI CAFEのメニュー「おかずクレープ」にかたもとオーガニックファームの野菜を使ってもらっているんです。2018年11月のKIRIマルシェに出店したのが始まりなんですが、その後料理家の山フーズさんが畑を見にきてくれて、わさび菜や高菜、ブロッコリーなどを使ったレシピを考えられたんです。

いろんな人と一緒にいると、発想も豊かになるし、刺激を受けるので、こうした関わりはすごく良いと思います。

そしてやっぱり、オーガニックを広めたいです。オーガニックがどういうものなのかを知ってもらった上で、何を選ぶかは自由だと思うので、まずは知ってもらいたいですね。


インタビュアー:冨塚花子(京都造形芸術大学文芸表現学科2年生)

写真:大賀由佳子

インタビュー:2019年6月

やおやおや

やおやおやとは? 亀岡には未来の食文化や農業の在り方を考え、こだわりをもった栽培方法で野菜を育てる農家さんがたくさんいることを知りました。「亀岡で育った野菜を亀岡の人に届けたい」「亀岡で販売できる場所をつくりたい」という想いから、亀岡で無農薬・減農薬・自然栽培等で野菜をつくる農家さんと、八百屋さん、設計事務所アトリエカフエとともに、新しく野菜の舞台をつくる「やおやおや」プロジェクトが始動しました。

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